「中綴じ」と「無線綴じ」はどちらもネット印刷で人気のある製本方法です。
どちらの製本方法で注文しようか迷ってしまう方のため、それぞれの特徴とメリット・デメリットを分かりやすくご説明します。
中綴じとは?
中綴じとはホチキスや針金を使った製本方法で、紙を2つ折りにした中央部分をホチキスや針金を使って綴じます。レイアウトの自由度も高く、薄い冊子の作成におすすめです。
中綴じ製本の特徴
中綴じの特徴はページの開きやすさです。ノド(根本)までしっかり開いて見られることから、見開きでのレイアウトも可能。
大きな地図や写真を見開きで掲載したい時には中綴じで製本するのがおすすめですよ。
開きやすく扱いやすいことから人気があり、パンフレットを作成する際には最もスタンダードな製本方法です。
お手元のパンフレットや説明書の真ん中のページを開いてみて、ホチキスなどで留められていれば、それが中綴じ製本になります。
中綴じ製本の用途
中綴じが使われているのは薄くページ数が少ない冊子です。
*パンフレット
*プログラム
*会社案内
*企画書
*社内報
*ページ数の少ない雑誌・フリーペーパー
などに使われることが多いですね。
ページ数が少ないながらも自由なレイアウトで印象的な冊子を作成できます。
中綴じ製本のメリット
中綴じのメリットは次の3つです。
*少ないページ数の冊子も製本できる
*本のノドまで開くことができるためレイアウトの自由度が高い
*低コストで製本できる
やはりページ数の少ないパンフレットのような冊子に適していますね。
中綴じ製本のデメリット
一方、中綴じのデメリットは次の3つがあります。
*ページ数の多い冊子(例:40ページ以上)は作成できない
*4の倍数のページ数で作成しなければならない
*厚い紙ではズレが生じることもある
ページ数が多いボリュームのある製本には向かないことが分かります。
無線綴じとは?
無線綴じは、ページを重ねて背の部分を糊で接着し、表紙用の紙でくるんで固定する綴じ方です。背表紙のある本格的な仕上がりとなります。
「糊だけで製本したら、ページがバラバラにならないか」と心配される方もいますが、専用の特殊な糊を使用するため、強度に問題はありません。耐久性もあるためしっかり長持ちしますよ。
無線綴じ製本の特徴
無線綴じの特徴はなんといっても背表紙のある本格的で美しい仕上がりでしょう。
高級感を求める方におすすめの製本方法なので、厚みのある本やカタログの作成におすすめですよ。
無線綴じ製本の用途
無線綴じは下記のような厚みのある本などの作成に適用されます。
*学術誌・論文
*教科書・オリジナル問題集
*小説・文庫本
*カタログ
やはりガッシリとした製本が必要な時に使われます。背表紙があるため、書棚に保存しても見つけやすく整理しやすいですよ。長く使用したい資料や本の作成にも適しています。
無線綴じ製本のメリット
無線綴じのメリットは次の3つです。
*仕上がりが丈夫で高級感もあるため長期保存に向く
*背表紙があるため本棚に置いた時に見つけやすい
*ページ数が多くても製本できる
大切な資料をしっかりと背表紙付きで製本したい時に適していることが分かります。
無線綴じ製本のデメリット
しかし、無線綴じには次の3つのデメリットがあります。
*ページ数の少ない冊子(16ページ以下)は綴じられない
*ノドの根本まで開くことができないため見開きデザインに向かない
*中綴じよりはやや高い
背表紙があるしっかりした作りの無線綴じは、中綴じよりややコストがかかります。
例えば、フルカラー20ページの冊子を100部、3営業日以内の仕上げで注文した場合に、中綴じなら約3万円、無線綴じなら約4万円となります。
多少コストがかかっても高級感のある仕上がりを求める方におすすめです。
メリット・デメリットから見る中綴じと無線綴じの違い・選び方

お客様がネット印刷を依頼される際、中綴じと無線綴じのどちらを希望するのか決めておくと注文がよりスムーズになります。
それぞれのメリット・デメリットから見る違いを理解すると、どちらを頼むべきかの基準は下記の表をご参考下さい。
中綴じ | 無線綴じ |
---|---|
低予算で作成したい | 予算をかけても良い |
背表紙がいらない | 背表紙が欲しい |
ページ数が少ない | ページ数が多い |
ノド(根本)まで広げて使用したい | 高級感を望む |
「 無線綴じ・中綴じ冊子を作成する際のポイント」
ここからは、無線綴じ、中綴じ冊子を作成する際のポイントを紹介いたします。
左綴じか右綴じを意識する
左とじとは、閉じた冊子を置いた時、ページを左側にめくるように作られているものが「左とじ」で、右側にめくるように作られているものが「右とじ」になります。
分かりやすい例が、英語や算数の教科書のような横書きの文書で出来た冊子が「左とじ」になり、国語の教科書やマンガ本など、縦書きの文章で構成されている冊子が「右とじ」になります。
どういうふうに読み手に訴えかけるものなのか、意識して冊子を作りましょう。
無線綴じの場合「ノド」に注意
「ノド」とは、冊子の綴じている部分の事を指します。
無線綴じでいえば糊で留められている部分、中綴じでいえばホチキスで留められている部分です。
無線とじの場合は、糊で止まっている部分はページが崩れないよう固められているので、本を見開いた際に糊のキワまで開く事が出来ません。そのため、ノドの位置ギリギリまで文字を配置した場合は文字が読みにくくなってしまいます。
データを作成する際には、ノドから文字まで15mm以上の余白を作成した方がよいでしょう。
中綴じは「ページ数」に注意
中綴じの場合は、二つ折りにした用紙を重ねて綴じる作り方です。二つ折りにするという事は、1枚の用紙には表裏合わせて4ページ分の印刷がされるという事になるので、中綴じ冊子を作る際には必ず4の倍数のページ数で構成する必要があります。
また、印刷会社によっては「単ページ」での入稿が必須になる事もあります。その場合、データを作成する際には見開きで作成しても、入稿データは1ページに修正する必要があるので、予め印刷会社のルールを確認しておきましょう。
本の厚さ意識する
中綴じはページをホチキスで留める製本方式で、無線とじは、背を糊で留める方式です。
したがって、ホチキスで留める中綴じは、あまり多くの用紙が留められませんので、ページ数が多くなるものは必然的に無線とじで作るしかなくなります。
印刷会社によってページ数の上限があるので、予めチェックしてから冊子を作成しましょう。
サイズを正確に把握する
作りたい冊子は元々どんなイメージでしょうか。手に取った時のイメージは大きいのか小さいのか、おそらく今まで手にした冊子のサイズ感がイメージにあるかと思います。
サイズ感が似ているA4とB5サイズ、A5とB6サイズなど、データを作る際にも印刷会社に注文する際にも指定が必要になります。
予めイメージのサイズは何サイズになるのか、正確なサイズを把握してから作成に取り掛かりましょう。
用途によって最適な製本方法を選択しよう!
薄い冊子なら中綴じ、厚みのある背表紙付きの製本を望むなら無線綴じと、用途によってピッタリの製本方法があります。
記事を参考に、ピッタリの製本方法を選んでみて下さいね。