紙の厚さ・用紙の重さの基礎知識|斤量・坪量・連量など用語も解説

更新日:2021年05月21日 公開日:2021年05月21日

紙の厚さは、mmではなくkgやg/m2で表記されています。

例えばコピー機の説明書には「セットできる原稿の紙厚は52~81g/㎡(45~70kg)です」と書かれていますし、コピー用紙の仕様欄にも「コート110kg」などと書かれています。

「なんで厚さを表すのにmmじゃないの?」と思った方も多いのではないでしょうか。

今回は、紙の厚さを表すときの用語について紹介するとともに、紙の厚さ別の用途についても解説します。


紙の厚さは何センチ?厚さを示す用語の斤量・坪量・連量についても解説!

紙の厚さの用語

紙の厚さを表すときは、斤量(kg)や坪量(g/m2)で書かれていることが多く、「1枚の紙の厚さが知りたい」という場合には少し不親切な表現に感じてしまうかもしれません。

これらの用語は印刷業界の人が使うものなので、一般の人が見てもイマイチ紙の厚さを想像しづらいですよね。

ここでは、紙の厚さを表す際に使われる用語について解説します。

紙の厚さ用語その1.連量(kg)

連量とは、原紙を1,000枚重ねたときの重さを指す用語で、単位はkgで表記されます。

印刷業界では一度に大量の紙を取引するため、1枚の重さではなく1,000枚の重さで数える連量という用語が使われおり、1,000枚で1連(1R)と数え、5,500枚なら5.5連という数え方をします。

原紙の種類はさまざまですが、ほとんどが四六判か菊判のことを指していることが多いです。

原紙の種類 サイズ
四六判 788×1,091
菊判 636×939
A列本判 625×880
B列本判 765×1,085
ハトロン判 900×1,200
AB判(JIS規格外) 880×1,085

例えばコート110kgと書かれていた場合、四六判サイズのコート紙+1,000枚の重さが110kgという意味になります。

連量は、重ければ重いほど紙の厚さも増しますが、同じ厚さの紙でも原紙の種類によっては数字が変わるので注意しましょう。

紙の厚さ用語その2.坪量

坪量とは、1㎡当たりの1枚の用紙の重さを指す用語でg/m2で表記され、米坪やメートル坪量と呼ばれることもあります。

数字が大きいほど紙の厚さも大きくなりますが、紙の種類によっては密度が変わるため、坪量が同じでも紙の厚さまで同じだとは限りません。

紙の厚さ用語その3.斤量

斤量とは、連量と同じく原紙を1,000枚重ねたときの重さ(kg)を指す用語です。

斤量は、尺貫法という貫や寸という単位が使われていた古いの時代数え方で、現在も印刷業界では斤量という言葉がよく使われていますが、意味は連量と全く同じで1,000枚を1連として数えます。

紙の厚さのkgをmmに変換

普段から連量に馴染みがない人にとって、紙の厚さをkgで表記されても分かりづらいかと思います。

ここでは紙の種類別に、連量(kg)から1枚の紙の厚さ(mm)が分かるように変換した一覧表を紹介します。
引用:ラクスル

用紙の種類 用紙の厚さ(kg) 1枚あたりの用紙の厚さ(mm)
光沢紙(コート紙) 極薄58kg 0.06mm
薄手73kg 0.07mm
標準90kg 0.08mm
少し厚手110kg 0.1mm
厚手135kg 0.12mm
マット紙 薄手70kg 0.07mm
標準90kg 0.10mm
少し厚手110kg 0.13mm
厚手135kg 0.174mm
かなり厚手180kg 0.24mm
最厚手220kg 0.30mm
普通紙(上質紙) 薄手70kg 0.09mm
標準90kg 0.12mm
少し厚手110kg 0.15mm
厚手135kg 0.18mm
かなり厚手180kg 0.23mm
アートポスト かなり厚手180kg 0.19mm
最厚手220kg 0.25mm
色上質紙 薄手70kg 0.09mm
少し厚手110kg 0.15mm

紙の厚さのイメージ

紙の厚さによって使われているものは違いますが、イメージは下記の通りです。

紙の厚さ イメージ
薄手(0.07mm) コピー用紙くらい
標準(0.08mm) ノートくらい
少し厚手(0.11mm) 一万円札くらい
厚手(0.14~0.15mm) 雑誌の表紙くらい
かなり厚手(0.18~0.22mm) ハガキくらい
最厚手(0.26~0.3mm) ポストカードくらい

引用:シュービ

紙の厚さは用紙の種類によって違う

紙の種類にはコート紙やマット紙などがありますが、さらに「薄手」や「厚手」などに分類され、どれも厚さが異なります。

また、同じ「厚手」でも用紙の種類によって厚さは違い、例えば、コート紙の薄手73kgと普通紙の薄手70kgは同じ「薄手」ですが、厚さは0.07mmと0.09mmで0.02mmも差があります。

紙の厚さによって用途が変わる

私たちがよく目にする用紙の厚さは0.07~0.27mmが多く、厚さによって用途が変わります。

厚さ別の主な用途は下記の通りです。



紙の厚さによって用途が変わる

一番右の青で囲ってあるのは、それぞれの用途におすすめの用紙ですが、もちろん上記以外の用紙でも代用可能です。

用紙によってmm数は多少違いますが、基本的には重量が重くなるほど紙の厚さも増すため、もっと厚みが欲しい場合は上記で紹介したものより重量ある用紙を選ぶといいでしょう。

しかし、あまり厚すぎると家庭用プリンターで印刷できない場合もあるため注意が必要です。

まとめ:目的に合った厚さの紙を選ぼう!

紙にはさまざまな種類がありますが、同じ種類でもキロ数によって厚さが違います。

厚さ別に用途が違い、例えば名刺はコート紙200kgがよく使われていますが、もっと厚い名刺にしたい、高級感のある名刺にしたいという方は200kg以上のものを選んでいるようです。

自分の目的別に、最適な厚さの紙を選びましょう。

その際に、本記事で紹介した変換表や使用イメージを参考にしていただけたら幸いです。






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