画像を印刷した際、印刷後にその画像の模様が滲んでいたりズレていたりすることがあります。
これはモアレと言われ、画像を綺麗にみせるためには避けるべき現象です。
この記事ではモアレ発生の防止策や除去方法について解説していきます。
モアレとは?別名:干渉縞

「モアレ」とは印刷の仕上がりに見られる波紋のような縞模様が視覚的に発生する現象のことで、別名では「干渉縞」と言われます。
規則的に整列した網点同士が干渉した時に、模様が重なる角度などのズレによって発生する模様も「モアレ」の一種です。
また、「模様の形状が崩れている」、「模様の配置間隔が不揃いである」、「トーンを重ね貼り処理する」などで発生することもあります。
モアレの発生により画像が滲んたようになり見掛けが悪くなるため、できる限り発生を防いだり除去したりする必要があります。
モアレが発生する原因
モアレの発生には複数の原因があります。ここでは4つの原因について解説します。
画像の拡大・縮小
画像のサイズを無理に拡大・縮小するとモアレが発生しやすくなります。
拡大・縮小することで網点(模様を形成する細かい点)の角度が変わってしまいアンチエイリアスがかかります。
アンチエイリアスがかかり網点の周囲がグレーになってしまうことで、モアレを引き起こされてしまいます。
細かい模様の背景
細かい網目や水玉模様、細いストライプ模様などは、印刷の際に網点が干渉しやすくモアレが発生しやすくなります。
また被写体そのものが複雑で細かい模様である場合も発生率が高まります。
スキャンした画像データ
スキャナーで取り込んだ画像を印刷に使うとモアレが発生することがあります。
その原因には、印刷物そのものが持つ網点と印刷することで新たに発生する網点が干渉することにあります。
トーンを使ったデータ
異なる模様のトーンを重ね貼りするとそれぞれで異なる網点が不均一な模様を作り出してしまいます。
これが原因となり、モアレが発生することもあります。
モアレを防ぐための対策
モアレの発生を防ぐには、発生原因となるパターンの干渉を防いだり、目立たせないようにする工夫が必要になります。
主なポイントは以下の3つになります。
拡大縮小は画像処理ソフトで行う
細い縞模様や細かい水玉模様など、モアレが起きそうな画像を使う場合はIllustratorなどではなく、ペイントやPhotoshoなどの画像処理ソフトで処理した画像を使うようにします。
あらかじめ拡大・縮小させた後に、Illustratorなどに取り込むことでモアレの発生を防ぐ対策になります。
また、Photoshopなどにある「ぼかし(ガウス)」機能やシャープネス処理でモアレを軽減することも可能です。
モアレ防止機能がついているスキャナーを使う
スキャナーにはモアレ防止機能がついている機種があります。
高度なモアレ防止機能が搭載されている高性能スキャナーを活用することで、モアレの発生を防ぐことができます。
解像度を調整する
低解像度のデータを高解像度に編集した場合、アンチエイリアスが発生しモアレの原因となります。
データ内容にあった解像度で原稿を作成することでモアレ発生を防ぐことができます。
モアレが発生した場合の除去方法
発生したモアレを除去するには画像処理ソフトを使用します。
例えば、印刷物をスキャンした際のモアレをPhotoshopで除去するには以下のような手順をとります。
1.フィルター>ぼかし>ぼかし(ガウス)を選択
2.プレビューを確認しながらモアレが消えるようpixelを調整
3.イメージ>画像解像度を選択
「再サンプル」をチェックし、その右にある「自動」を選択して「バイキュービック法ーシャープ(縮小)を選択、「解像度」を元画像の半分の解像度にする。
4.加工後の画像にシャープさが足りない場合、フィルター>シャープ>アンシャープを選択して調整。
まとめ:モアレを防ぐための対策が大事!発生したらぼかしで除去
今回はモアレ除去についてご説明しました。
モアレ(干渉縞)とは、規則正しい繰り返し模様を複数重ね合わせた時にそれらの周期のズレにより視覚的に発生する縞状の周期的なパターンです。
トーンの重ね貼りや印刷工程・スキャンでも発生することがあるため、これらを完全に防止することはできません。
ただしなるべく目立たなくすることは可能なので、モアレが出そうなトーンなどを使う際はチェックを意識することが大切になってきます。
綺麗な本を作るため、作成の段階でモアレの出にくい原稿を心がけておくと失敗も少なくなるはずですよ。