印刷会社にポスターやDM、名刺などの印刷を依頼する場合、「オンデマンド印刷」と「オフセット印刷」のいずれか好きな方を選べる仕組みになっています。
それぞれ印刷のメカニズムが異なるため、印刷スピードや1枚あたりのコスト、仕上がりのきれいさなどに違いがあります。
両方にメリット、デメリットがありますので、何を印刷したいのか、どういった点を重視するのかなど、自分なりの基準をもとに選ぶ事をおすすめします。
ここではオンデマンド印刷とオフセット印刷の違いや、それぞれのメリット・デメリットを紹介すると共に、どんな人にどちらの印刷が適しているのかをまとめてみました。
必要な分だけ印刷OK!オンデマンド印刷
オンデマンド印刷とは、印刷に版を使用せず、パソコンから送信されたデータをもとに、高性能なレーザープリンターによって印刷する方法の事です。
マイナスの電荷を与えた感光体にレーザーを照射すると、その部分のみプラスの電荷に逆転します。
そこにマイナスに帯電したトナーと呼ばれる粉を吹き付けると、プラスに帯電した部分にのみ粉が吸着。用紙が重なったところで強いプラスの電荷を与える事で感光体から用紙にトナーを転写させる仕組みになっています。
オンデマンド印刷は手軽に短期間で納品できる
オンデマンド印刷のメリットは、製版する必要がない分、1枚からでも手軽に印刷できるところです。
また、製版の工程を省略できる事からコストも節約できるのが特徴です。
使用するトナーは速乾性に優れているため、短期間で納品してもらう事が可能となっています。
精度がやや低い上に大量印刷ではコストがかかる
オンデマンド印刷は少数印刷に適している一方、枚数が多くなるとコストがどんどん高くなってしまうのが難点です。
また、トナーは液体インクに比べて粒子が大きいため、精細度の面でやや劣る傾向にあります。
耐久性においても、摩擦や折りによる剥離または割れが生じやすいので、仕上がりの美しさを長期間キープするのには不向きです。
オンデマンド印刷は素早く必要分だけ印刷したい方向け
オンデマンド(On demand)とは、「必要な物を、必要なときに、必要な分だけ」という意味。
その名の通り、必要な枚数だけ無駄なく、かつスピーディに印刷できるので、「在庫が切れかかっている名刺を今すぐ追加発注したい」といった場合に向いています。
大量印刷に最適!オフセット印刷
オフセット印刷とは、凹凸のない板を使用する最もポピュラーな平版印刷の一種です。
平板の画線部を親油性、そうでない部分を親水性に分けることでインクが画線部のみに付着する仕組みになっており、版につけたインクをブランケット胴に転写(オフ)してから、用紙に印刷(セット)します。
精度が良く大量印刷でコストが安くなるのがオフセット印刷のメリット
オフセット印刷はインクを用紙にしっかり密着させる事ができるため、仕上がりの美しさはオンデマンド印刷より上です。
また、一度製版すれば繰り返し使用できるので、印刷の枚数が多ければ多いほど一枚あたりのコストが安くなっていくのが大きなメリットとなっています。
デメリットは製版コストと納期の遅さにあり
オフセット印刷は製版にかなりのコストがかかるため、少数印刷の場合、一部当たりの印刷コストが割高になってしまいます。
また、インクが乾くまでに時間がかかるので、オンデマンド印刷に比べると納期が長くなってしまうのもデメリットのひとつです。
オフセット印刷は高いクオリティのものを大量印刷したい方向け
オフセット印刷は大量に印刷するほどコストが安くなるので、同じ製品をたくさん作るのに適しています。
たとえばビラ配りやポスティングなどに使用するチラシの印刷や、店頭で配布するリーフレットの印刷などに向いているでしょう。
オフセット印刷はオンデマンド印刷に比べると発色性や耐久性にも優れているので、折れ加工のパンフレット印刷にも多用されています。
オンデマンド印刷とオフセット印刷を上手に使い分けよう
オンデマンド印刷とオフセット印刷では印刷の仕組みが根本的に異なるため、どちらがいいと一概に言うことはできません。
少量の物を短期間で印刷したいのならオンデマンド印刷の方が適していますし、同じ物を大量に印刷したい時や、印刷のきれいさを重視する時はオフセット印刷の方がニーズにマッチしています。
東京カラー印刷ではオンデマンドとオフセット両方に対応しておりますので、活用シーンに合わせて上手に使い分けて頂ければ幸いです。